特集:猫がいる生活〜猫と植物のかかわり方〜

自由に、気ままに、気持ちよく
おひさまのあたる場所。
暖房のあたたかい空気があつまる場所。
猫はその時々で、おうちの中のいちばん気持ちのいい場所を見つけるのがほんとうに上手です。
あたたかい場所で、気持ち良さそうに寝ている姿を見ていると、気持ちがやわらいで、つられてこちらもウトウト…なんてことも。
猫たちが、自然とやすらぐ場所を求めるように、
わたしたちもお気に入りのインテリアをそろえたり、お互いに心地よい空間を作って、共同生活をおくっていきたいですよね。
ベッドや食器だって、部屋のインテリアやカラーになじむものだと嬉しいですし、
毎日遊ぶおもちゃも、使わないときは飾りになるような、おしゃれなものだと嬉しいです。
わたしたちの生活を豊かに彩る季節のお花を飾ったり、観葉植物を置いてお部屋にグリーンを取り入れるのもそんな風に暮らしを楽しむことの1つではないでしょうか。
ですが、猫との暮らしではちょっと注意が必要。
身近な植物の中にも、実は猫にとっては猛毒になってしまう危険な種類があるからです。
猫に危険な植物
本来肉食の猫は、植物を分解するのが苦手な動物。
中毒を引き起こす毒性のある植物は700種類以上とも言われています。
植物中毒は、もちろん犬にもあって同じように注意が必要です。
ですが、雑食の犬よりも肉食の猫の方がより植物成分の分解が難しく、中毒の危険が高まります。
また、上下運動が得意な猫は、花瓶や鉢植えに手が届いてしまうことなども、暮らしの中で注意が必要な理由です。
症状は胃腸炎などの軽いものから、少量でも命を落としてしまう重篤なケースまでさまざまですが、特にユリ科の植物は、茎をひとかじりしたり、花粉や花瓶の水を舐めるだけで、致命的な症状を引き起こす可能性がある最も注意が必要な品種です。
<猫に危険な身近な植物>
ユリ科(ユリ、チューリップ、ヒヤシンスetc.)
ナス科(ホオズキ、チョウセンアサガオetc.)
プラム属(リンゴ、アンズ、モモ、チェリーetc.*種に注意)
ツツジ属(サツキ、シャクナゲ、アザレアetc.)
キンポウゲ科(アネモネ、ラナンキュラス、クリスマスローズetc.)
サトイモ科(ポトス、モンステラ、カラーetc.)
他にもお花ではスズラン、アジサイ、マーガレット、シクラメンなど、観葉植物ではアイビー、ポインセチア、ソテツ、ゴムノキなどなど、たくさんの身近な品種に中毒の危険がひそんでいます。
これらは室内に持ち込まないのがベストですが、贈り物でいただいた時などは、猫の生活スペースときっちり分けて、猫が近づかないように注意していきましょう。
猫に安全な植物
では逆に、猫に安全な植物はどういった品種があるのでしょうか?
猫と植物の関係は、まだまだ研究が進んでいない分野とされていますが、次の植物は、猫に優しいと考えられています。
<猫に優しい身近な植物>
観葉植物:猫草(えん麦、エノコログサetc.)、パキラ、サンスベリアetc.
花:バラ、ガーベラ、ランetc.
ハーブ:キャットニップ、バジル、レモンバーム、ローズマリー etc.
猫草はその名のとおり、猫が好んで食べる草の呼び名ですが、「猫草」という品種の植物はなく、えん麦や大麦など、主にイネ科の植物の新芽が「猫草」として流通しています。
グルーミングの習慣がある猫は、一日に何度もからだを舐めて毛繕いをしていますが、
この舐めとった毛がきちんと排出されないと、お腹にたまり毛玉症の原因となってしまいます。
猫草は、胃にたまった毛玉を吐き出させたり、便秘を予防したり、胃腸の動きを整える効果が期待できて、適度に猫に食べさせても安心な植物です。
中には興味を示さない猫もいますので、無理に与える必要はありませんが、室内に置いておいても安心な植物の代表といえます。
また、キャットニップやまたたびは、猫がよろこぶことで有名なハーブですね。
おもちゃの中にドライのキャットニップが入っているものもたくさんあります。
こちらも与え過ぎには注意が必要ですが、少量取り入れる分には、リラックス効果が期待できます。
キャットニップは、鉢植えで簡単に育てることもできますので、お庭やベランダで楽しめるグリーンの1つです。
誤食による悲しい事故を起こさないためにも、お花や観葉植物を選ぶなら、まずは「猫に優しい品種かな?」と調べ、置き場所や管理に十分注意して、お互いに快適で、心地良い暮らしを楽しんでいきましょう。