特集:犬のしつけ ~「待て」編~
しつけを行ううえで大切なのは、犬との信頼関係の絆。
昔から群れで行動してきた犬たちは、人間の家族とも仲良く暮らしていけるパートナー。
しかし、犬たちは群れの中で単に仲良しの仲間を求めているのではなく、自分にとって最高のリーダーを求めていたのです…
お利口わんこへの道を目指して、覚えていきたいいくつかの「しつけ」。
その中でも、まずはじめの一歩となるのが「お座り」。そして「待て」です。
この2つのしつけが大切な理由は、どちらも犬の行動をストップさせる目的であること。
しっかりと「お座り」や「待て」が出来るようになれば、入ってはいけない場所への禁止や、拾い食い、玄関からの飛び出しや、車道への飛び出しなどなど…犬にとって危険な状況を回避させることが出来ます。
危険回避に役立つということは、ひいては自分の犬の命を守ることにつながりますので、覚えておきたいしつけですよね。
群れ野中のリーダー
上手にしつけをするのに、最も重要なことは、飼い主が犬のリーダーになるということです。
犬は昔から群れで暮らしてきた動物です。
群れの中には、必ず縦の順位があり、例えば50匹の犬が一緒の群れにいれば、1位から50位まで順位が厳しく決まっていて、49位と50位にもきちんと差があるのだそうです。
そして犬たちは、自分が下位のランクとなることに不満があるかというとそうではなく、順位が決まっていないことや、また、自分よりも下位と決めた人間に行動を抑制されたり、従わせようとされたりすることの方がストレスとなってしまいます。
自分が従うべきリーダーが決まっていれば、犬は安心してその群れの一員として暮らしていくことができるので、人と犬もひとつの家に暮らす群れとして、飼い主がきちんとしたリーダーとなってあげることが大切です。
トレーニングをはじめる前に
まずはしつけを行う上で覚えておきたいポイントを確認しておきましょう。
1) アイコンタクト
まずは名前を呼んだら、しっかり犬と目を合わせられるようにしましょう。自分の名前は比較的早く覚えられると思いますが、もしもアイコンタクトが上手く行かない場合は、クリッカーなどを使ってここからトレーニングを開始しましょう。
2) 指示語
覚えさせる行動に対して、決まった指示語を使うようにしましょう。例えば「お座り」「シット」など、その時々であったり、家族でバラバラの言葉を使わないように揃えておくことが、早く覚えさせるためのコツです。また、指示語はハッキリした言葉で言いましょう。
3) ご褒美
おやつを使う場合は、カロリーオーバーにならないように気を付けましょう。また、おやつ目的になりすぎないように、おもちゃを使ったり、ボディコンタクトや声で思いっ切り褒めてあげるなど、ご褒美の質を変えていきましょう。
4) 短時間で楽しく
トレーニングは、長時間やりすぎないように、お互いが楽しんでできるペースでやりましょう。
STEP 1 – その場での「待て」-
「お座り」は、クリッカートレーニングのページ でご紹介していますので、ここでは「待て」のしつけ方を覚えていきましょう。
1) おやつやおもちゃなどのご褒美を手に持ち、「待て」の指示をだします。
言葉と一緒に、ご褒美を持っているのとは反対の手を犬の顔の前にかざして、ストップの意思を伝えます。
2) 落ち着いて飼い主とアイコンタクトをとって静止できたら、「良し」といって手をおろし、ご褒美をあげます。
慣れてきたら静止時間を少しずつ長くしていきましょう。
静止中、「お座り」も一緒にできるとさらにお利口さんです。
STEP 2 – お散歩中の「待て」-
すれ違う人や犬と距離を置きたい時や、横断歩道の前など、お散歩中の「待て」は必ず必要になりますよね。
歩行中、リードを持ちながら「待て」の指示を出して、ストップできたら「良し」といって進み、褒めてあげます。
「待て」が出来ずに、先に進もうとする場合は、リードを補助的に使って制止させます。
※「待て」が上手にできるお利口さんでも、停止中は、リードを短く持つようにしましょう。
横断歩道の前で「待て」。角を曲がる前に「待て」。と、こまめに練習して、飼い主と歩調を合わせてお散歩できるようにトレーニングしていきましょう。
お散歩デビュー前なら、まずは室内で練習してみるのも良いかもしれません。
環境の変化によって、室内ではできていた子も、うまく指示が伝わらない場合がありますが、焦らず覚えていきましょう。
しつけを行ううえでもっとも大切なポイントは、決して諦めないことです。
犬のしつけは、信頼関係を築く、大切な犬とのコミュニケーションの時間。
犬は、共通の言葉を持たない分、私たちの態度や行動から、その時々の感情や愛情をしっかりと感じ取ってくれます。
ダメな時はダメ!褒めるときは思いっきり。と、一貫した態度で伝え続けていくことで、リーダーとしての信頼も深めることができます。
お互いが良好な関係を築き、安心して暮らしていけるよう、楽しんでトレーニングしていきましょう。
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